コルテックスとは、毛髪の80%以上を構成する成分で、毛幹部の成分のひとつです。毛幹部は、三重構造になっていて、表層部からキューティクル(毛小皮)、コルテックス(毛皮質)、中心部がメデュラ(毛髄質)で構成されています。さらに、このコルテックスは、細長いタンパク質繊維が何本も寄り集まったフィブリル(繊維質)と呼ばれる結晶領域と、マトリックス(間充物質)と呼ばれる非結晶領域の二つに分かれています。この2種類のコルテックスのバランスが良いと、髪にクセやうねりが出にくく扱いやすい髪になり、バランスが悪いと、髪の構造に歪みが生じ、クセやうねりが出やすくなります。毛髪の三重構造は、毛髪の健康に深く関わっていて、コルテックスは毛髪の性質を決定し、毛髪の水分量をコントロールする大切な働きを担っています。髪の水分量が減少し、毛髪が細くなると、発毛や育毛に大切な毛乳頭や毛母細胞にも悪影響が現れます。さらに、発毛の遅れや、毛髪成長といったヘアサイクルなどにも乱れが生じ、コルテックス本来の機能を失ってしまうと、男性型脱毛症などの薄毛や抜け毛を引き起こす要因にもなります。発毛・育毛にはコルテックスなどの毛髪の三重構造を理解し、効果的なケアが必要です。
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