遺伝子検査とは、脱毛原因を調べる手段の一つです。脱毛症や薄毛の原因として、遺伝的素因・男性ホルモン・ストレス・老化などさまざまな要因があると言われています。その中でも特に男性ホルモンは、男性型脱毛症の発症に大きく関与しています。男性ホルモンのアンドロゲンは毛根などに作用するホルモンですが、このアンドロゲンを受け取るアンドロゲンレセプターというものが細胞の中に存在します。アンドロゲンレセプターとは、男性ホルモンのテストステロンやジヒドロテストステロンを受け取る受容体で、アンドロゲンレセプター遺伝子を鋳型にして合成されます。この合成効率は、人によって個人差があり、ある特定の塩基配列の長さを測定することで、アンドロゲンやDHTの影響を受けやすいかどうかを調べることができ、個人の治療方針を立てるのに役立てることができます。遺伝子検査は、医療機関で行われている通常の血液検査と同じように、左右どちらかの腕から静脈血を約2ml採取して行われます。検査結果を出すためには精密な解析をしなければならず、結果が分かるまで、約1ヶ月間かかります。日本ではアンドロゲンレセプター遺伝子の検査を行うことができる施設は限られており、現在この検査を行っている医療機関は全国で4ヶ所です。
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