フケは皮膚から出るアカと同じように、新陳代謝の副産物として角質細胞が剥がれ落ちたものです。俗にフケといわれるものは頭皮の老化角片の脱落するものと分解酸化物との混合物で、新陳代謝の産物として不思議はないものです。ただこれが異常に多い状態をフケ症と呼びます。フケは乾性のものと脂性のものがあり、頭皮の状態と同じタイプのフケが発生します。乾性のフケは、過度の洗髪などによる頭皮の乾燥のために発生します。一方、湿性のフケは、頭皮の皮脂の分泌が多い人にみられ、その多くは脂漏性皮膚炎の前段階の症状と考えられます。脂漏性皮膚炎は皮膚から分泌されている皮脂が多くなることで脂漏となり、その脂漏がカビの一種、癜風(でんぷう)菌によって分解されることで引き起こされることが最近の研究でわかってきました。このことから、フケ症の段階から、真の脂漏性皮膚炎に発展させないよう心掛ける必要があります。ふだん頭皮を清潔に保つように適度のシャンプーをし、シャンプー後は殺菌剤を含んだトニックで頭皮をマッサージ、乾性頭皮の方はビタミンA含有のクリームかオイルを少量塗布するなどの手入れをすると同時に、睡眠を充分にとり、バランスのとれた食事、ストレス解消等生活環境にも心を配ることが大事です。
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