ケルズス禿瘡(とくそう)とは、皮膚糸状菌の一種、主に白癬菌というカビ菌が頭の毛から皮膚の中に入りこみ、頭部に発疹と脱毛を伴う皮膚真菌症の一つです。白癬菌による感染は、一般に水虫と呼ばれ、通常は、皮膚の表面に感染しますが、頭皮に現れる場合もあります。白癬菌によって生じる感染症にはそれぞれの場所と呼び名があり、足は水虫(足白癬)、爪は爪水虫(爪白癬)、体はたむし(体部白癬)、股はいんきんたむし(股部白癬)、頭はしらくも(頭部白癬)などと呼ばれています。しらくも(頭部白癬)は、診断が遅れると頭の毛の中に深く菌が入り込み、ケルズス禿瘡になり、膿やしこりを伴うようになります。放置すると瘢痕、永久脱毛に至ってしまうことがあるため、早めの治療が必要です。ケルズス禿瘡をかぶれと間違って、炎症部分に副腎皮質ステロイド薬を塗ったり、おできと間違って抗生物質を服用することがありますが、効果はなく、かえって悪化する場合もあります。ケルズス禿瘡には抗真菌薬の内服が必要です。すぐに受診し、適切な処置を行えば完治しますので、正しい知識を身につけましょう。
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